元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【映画感想文】星の旅人たち

 

 

星の旅人たち [DVD]

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旅に出たいと、時々、思う。

 

僕は今、普通のサラリーマンで、明日も会社に行かなくてはいけない。

大学のとき、3年時に休学して1年間、ニュージーランドで語学学校に通った。その際に、一人でニュージーランド国内とオーストラリアへ旅に出かけた。バックパックを背負って。そのときのことを、この映画を見て思い出した。

 

基本的に、人見知りであり、自分に自信がない自分はどこにいても結局のところ、無口の陰気でつまらない人間だった。だから、旅していたときも基本的にはひとりだった。

2007年の新年を迎えたとき、僕は氷河が有名なとても小さな村のバックパッカーユースホステルのようなもの)で、ひとり鮭の水煮の缶詰とペットボトルに入れたワインとインスタントラーメンを食べていた。周りが Happy new year!と盛り上がる中、僕はただ曖昧な笑みを浮かべていた。静かにワインを飲み干し、僕は4人相部屋のベッドの一つに入った。ほかのベッドはまだ空いていた。きっと、宿泊者同士盛り上がっているのだろう。僕は、その輪に入りたいなんて思わなかったけれど、それなのに盛り上がっている人たちがうらやましかった。さっさと寝てしまおうと思い、目を閉じたけれど、時折外から聞こえる歓声が気になって何度も寝返りを打って眠ろうと必死だった。

 

旅は終わらない。

旅とは、生きること、そのものだから。