元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

nothing there

そこにあるのだと思っていたものが
何もないとわかったのはいつのことだろう

何もできないと思っていたことが
何もかもできると思い込んだのはいつのことだろう

ひとりでにひとりで
わからなくてそれでよくて
そこにいるのはもう本物ではなく
どこにもいないのはもう自明である

走り出す
光の中
小さなもので
流れ落ちるニュースをひとつすくい上げてみると
ただ余計に虚しくなるんだ


裸足で
波打ち際
足を沈ませると冷たいのだ
この下には水があるのだ
当たり前のことなのに
感じなくては忘れていることが多い


伝えたいことなんて本当はなくて
何も伝えられないことばかりで
そこに何もかもを乗せてしまえば
ここは少しだけ楽になる

騒がしさに埋れてしまえばいい
どこにいるのかさえわからないほどに
消えてしまえばいい
塵にも満たない小ささで

自転車
排気ガス
喉の痛み

心の中にあるものは
きっと誰にもわからないね僕自身にも

雨が止まない
天気予報外れの
どこまでも続いていく水の落下
雨が降る、ここにも雨が降る

 

人生を好転させるたった2つのこと  「自分には何もない」と思った時に読む本 (角川フォレスタ)

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