練馬区立美術館で開催されている小林清親展を見に行ってきたので感想を書く
時間は有限である。行きたいと思った時に行っておかないと後悔する。というわけで行ってきた。
行ってきたのはこの展覧会である。
開館30周年記念「没後100年小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」:練馬区公式ホームページ
小林清親について
小林清親は、明治時代の版画家、浮世絵師。この展覧会に行くまで、この画家のことは知らなかった。
感想
思った以上に素晴らしかった。特に素晴らしいと感じた点は以下の2点である。
- 構図の素晴らしさ
- 暗闇の表現
構図の素晴らしさ
まずなんといっても構図が素晴らしい。え!この視点で!?というものがあって良い意味での驚きがたくさんあって嬉しかった。とは言え、奇をてらい過ぎているわけではない。あくまで自然なのだ。遠くから見たりぱっと見たりしただけでは気づかないと思う。絵とじっくり向かい合ってやろう、という気持ちで見た時に、思わずニヤリとさせられる感じ。
例えばこんな絵である。
手前に女性の後ろ姿。左側に風景が広がる。下は木舟である。ここで僕が唸ったのはこの視点である。下から上をやや見上げるような視点。これによって、左の風景が開けて見え、かつ右側の後ろ姿の女性の存在もより際立つ。素晴らしい。ニヤリとさせられる。
こんなことを書いておきながら何なのだけれど、僕は美術評論家でもなく、絵を勉強したこともないただの素人なので、この解釈が間違っている可能性も多分にある。というわけで、一個人の感想として読んでいただきたい。
暗闇の表現
暗闇と言っても、単なる黒ではない。薄い黒、濃い黒、その中間の黒、様々である。実物の絵を見るとグラデーションと言ってもいいくらいに、暗闇の部分にもいくつか色があることがわかる。その色の微妙な違いが、絵に深みを与えていて素晴らしいと思った。
これは木版という性質上、薄い色のところには薄い色の版を、濃い色のところには濃い色の版を作り、刷っているということかと思う(想像)。
参考として絵のリンクを貼っておくが、暗闇の陰影はやっぱり本物でないとわかりにくいのが残念だ。
「開館30周年記念「没後100年小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」」は、5月17日まで、練馬区立美術館で開催されている。
ここからは余談。美術館のすぐ隣にカフェがあった。
カフェというかイタリアンというべきか。夜21時まで営業しており、お酒も飲めるし、壁が大きな窓になっていて、美術館の前の庭の景色を楽しめる。窓に向かう形でカウンター席があり、一人でも入りやすい。僕は和菓子セット(日本茶付き)を頼もうかと思ったが、午後18時の時点で品切れだったので、オレンジジュースを飲んだ。このブログ記事を書くため、お酒は飲んでいない(笑)。