元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

30代の男が両親への親孝行として、浜名湖へ一緒に旅行に行ったという話

今更感がかなり漂うが、書いてしまったのでアップすることにする。なんだなんだ?いや、GWについて。

 

GWに実家に帰ってみて

今年のGWは全く予定がなかった。数少ない友人を誘うもことごとく断られたため、泣く泣く実家に帰ることにした。


普段一人暮らしをしている30代の男が実家に帰ってすること。それはグータラするのはもちろんなんだけれど(笑)、親孝行という側面もある。大学まで行かせてもらい、ニュージーランドに留学までさせていただいたのに(ちなみに留学は親に借金する形で行ったので、未だに僕はほそぼそとその借金を親に支払っている(笑))、僕は最初に入った会社を3年で辞め、親を大いに心配させた親不孝者でもある。それだからというわけでもないけれど、誕生日には必ず何かしらを贈る。実家に帰省した際には、父親と一緒に晩酌をし、たいして面白くもない話を聞いてあげる。同じく、母親の仕事の愚痴やらを聞き、うんうん、大変だね、と頷いてあげる。

 

ちなみに実家に帰ると必ず聞かれるのは、彼女ができたかどうか、である。昨年、ずっと彼女がいなかった弟に彼女ができた。しかも、いわゆる美人である。僕は、なんだか、ものすごい敗北感を味わった。弟に彼女ができた時点で、僕には彼女がいなかったからである(今も募集中です、気になる方はお気軽にコメントください(笑))。

 

実家に帰ったその日、母親からの鋭い一言が僕を襲った。


「いつもはGWなんて帰ってこないのに、帰ってきたということは彼女がまだできないんだね」

 

むむぅ。そんな深読みされるとは思っていなかったので、仰天してしまって、「うん」というマヌケな返事しかできず、その隙間を取り繕うように、僕はグラスに注いだ発泡酒をぐいっと飲み干した。コップに残った泡がやけにきらきらと綺麗で切なかった。

 

まぁ、そんなこんなで過ぎていく実家での日々である。実にけしからん。というわけで、早々に、本題に入りたい。

 

両親と浜名湖へ行ってきた話

実家からは車で1時間半ほどだろうか。ちなみに車は、父親所有ではあるが、親孝行のため自分が運転した。それではいってみよう。


いきなりであるが、親の車にはカーナビがついていない。母親はゴールド免許であるが、ペーパードライバーなので、運転はしない。子供二人はすでに独立したので、運転するのは父親だけである。父親はすでに60を超えているからして、昔から地図を頼りに生きてきた人であり、カーナビなんか無くたって大抵はなんとかしてやる精神で乗り越えてきた人である。

 

浜名湖には、幼いころ何度か連れてきてもらったこともあるので、ナビは助手席に座る父親になった。色々と余計なアドバイス(例えば、センターラインがオレンジの1車線の場合は車間をとってのんびり走ればいい(割り込みされないので)等)を未だにくれるのでちょっとうざったいが、それを除けば的確なナビではある(笑。

 

今回の目的は、浜名湖名産、鰻を食べるため。

 

浜名湖とは。浜松とは。そしてうなぎパイは、いやらしいお菓子では断じてないということ

静岡をあまり御存知無い方もいるかと思われるので、簡単に説明しておこう。浜名湖は、浜松にある。浜松で有名なのは、夜のお菓子「うなぎパイ」である(本当は餃子もだけど今回は置いといて)。

ちなみに「夜のお菓子」というのは、別に怪しい意味でも何でも無く、父親が仕事帰り(夜)に子どものために買って帰るお菓子というコンセプトからのキャッチフレーズである。もし誤解されていた方は、今すぐにその考えを改めていただきたく早急にお願い申し上げる次第である(笑。ちなみに、うなぎパイには鰻のパウダーが入っている。とりあえず名産だから、鰻の形にしたパイを作れば売れるだろう、なんてそんな浅はかなものではない。きちんと、鰻のパウダーが入っているのである(ここ大事だから二度言う)。

さて、うなぎパイがあるくらいだから、鰻が有名だというのも頷けるかと思う。


前夜に食べログで見つけた「うな修」に行ってみた。

tabelog.com

うな重(上)を頼んだが、うまかった。

案内された2階からは目の前の浜名湖やロープウェーが見渡せた。天気もよく絶好のロケーションで食べる鰻は、最高であった。

 

食べ終えた我々は、腹ごなしをするため、浜名湖周辺を散策することにした。
神社があった(写真の色味がおかしくてすみません、iPhoneのフィルタをかけてしまってたみたいです)。

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鐘があった。

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一突き100円だった。せっかくだからやってみよう!というわけで突いてみた。良い音がした。

見晴らしが良い。

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その後、小高い丘のようなところを登る。この日はとてもいい天気で、歩くと汗ばむくらいだったが、木陰に入るとひんやりと涼しく、気持ちが良かった。

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そして浜名湖ガーデンパークへ。ちなみにこのガーデンパーク、入場も駐車場も無料です。できれば彼女と来たかったなぁ(いないくせに)。

そしたら

空想彼女「きれいな花!」

僕「そうだね、でも君はもっときれいだよ」

なんてそんな激甘な会話ができたのに。

と心の底から思った素晴らしいデートスポット。あ、もちろんご家族でも楽しめますよ。

www.hamanako-gardenpark.jp

 

入ってすぐのところにモグラらしきヤツがいた(笑。

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偶然だったが、高校のブラスバンド部が無料のコンサートをやっていたので、見る。

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驚くべき、上手さで、終わったあと家族で大絶賛した。実績もある名の知れた高校だったらしく、納得。

 

若者が一所懸命頑張っている姿はめちゃくちゃ輝いて見えた。大いなる元気をもらった。音楽の力、そして協力することにより大きな力になることを改めて感じた。


僕は、高校時代、情報科学部であった。パソコンを使ってのプログラミングが主な活動だった。ちなみに中学は卓球部。いずれも個人で頑張るものである。未だに集団で何かをするということは苦手だ。
でも、高校生の彼らの演奏を見ていて、みんなで頑張るというのもいいなと思えた。当たり前であるが、一人では一つの音しか出せない。でも、何人も集まっていろんな楽器をそれぞれが一緒に演奏すると、それぞれの音が重なって一つの音になる。一人ひとりの全力が合わさった時、そこには大きな感動が生まれる。
そういえば、中学、高校と学校行事は嫌いだったけれど、合唱コンクールは大好きだった。自分一人の声では限界がある。けれど、みんなで声を合わせることにより、大きな声になる。それぞれの音程が組み合わさることで生まれるハーモニー。友人なんていなかったけれど、一緒に合唱をした、あの経験は今でも僕の心に残っている。
みんなで頑張るってのもいいね、と思えるようになったのは僕が大人になったからだろうか。

 

その後、花を見る。美しい。

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一面のネモフィラ畑もとても綺麗だったのに、この色味、残念過ぎる(汗。

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親孝行というか、普通に自分も楽しんで旅行したので、単なる旅行記に成り下がっていた。でも、僕は、この旅行中、ずっと考えていたことがある。

 

今しかできないこと

それは、「こうやって旅行できるのも今のうちかもしれない」ということ。幸いにも両親は、今のところ元気だけれど、これからどうなるかはわからない。昨年末、父が癌になったこと(今は完治)からも言えるように、人生というのはいつ何が起こるかわからないのである。

 

motoishirei.hatenablog.com

 

だから、親とこうして旅行できるのもあと、何回あるだろうか、と考えた。もし両親どちらかの体調が悪くなったり、自分の体調が悪かったりしたら行くことはできない。今のところ予定さえないが、これから僕に好きな人ができて結婚したとしたら、両親と自分だけで旅行という機会はもう多分無い気がする。

そう思うと、このひとときは、とても貴重だと思った。この時間を大切にしたかった。僕は今年31になるけれども、いくつになっても親と僕との関係は変わらない。幼いころ、僕は反抗期の影響で色々と両親に迷惑をかけた。いわゆるグレたりはしなかったけれど、意味もなく無視したりとかは頻繁にあった。心のなかで両親を見下していた時期もあった。
でも、今は違う。この両親のもとに生まれて、今まで生きてこられたことにとても感謝している。

今回、親と旅行に行けて良かった。

本当に良かった、そう思う。

親が死ぬまでにしたい55のこと (Earth star books)

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