元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

あの人は富士宮にいて、僕は東京にいる。

離れていく

会えば会うほどに 遠くなる 君と僕との間 こんなにも人がいるのに 君の代わりはここにはいない さっきまで一緒にいたのに もういない 今はただ 別れ際に 精一杯の勇気を振り絞って握った 君の手の温もりだけが 僕の右手に残ってる 君は困った顔をして でも …

久し振りに

久し振りに会った君はあの頃と変わっていなくて 「ひさしぶりだね」と言う君の声はあの頃と同じ高く澄んだままで この五年間で何が変わっただろう 君は結婚をした僕はまだ独身だ 君は子どもを生んだ僕はまだ子どもが苦手だ 君は家を買った僕は6畳の賃貸住み…

【後編】あの人は富士宮にいて、僕は東京にいる。

前編はこちら。 motoishirei.hatenablog.com 誘い 過去の記憶 現在 音楽を聴いて また離れていく 誘い 「あ、そうだ」とあの人は突然思いついたように言った。 「お願いがあるの」とあの人は僕の目を見て言う。 「なになに」と僕はアルコールの勢いで軽く答…

【前編】あの人は富士宮にいて、僕は東京にいる。

あの人に会いに行く あの人との出合い 静岡駅ビルのカフェで ソウルメイトって知ってる? 富士宮にて 古民家カフェで 再会 あの人に会いに行く 2月のある日。僕は、有休を利用して高速バスで都内から富士宮に向かっていた。深夜2時に起きたトラック事故の…