元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

読書感想文

【読書感想文】『南の島のティオ』(池澤夏樹)

数年前、サイパンに行った。どこまでも続く青い海、白い砂浜。そこにはイメージ通りの南国の楽園があった。いつか南の島で暮らしたい、そう思った。サイパンから帰国して数ヶ月が経っても、その気持ちはしばらく収まらなかった。けれど、現実を鑑みるとサイ…

【読書感想文】『時間革命 1秒もムダに生きるな』(堀江貴文)

想像してみてほしい。あなたは35歳の男性だ。今は、日曜の夜、18時半。明日からまた平日で仕事だ。5日間のストレスフルな生活が待っている。うんざりだ。宝くじでも当たらないだろうか。そうしたら、サイパンにでも移住してのんびり暮らすのに…… 内容に大…

【読書感想文】『絶叫』(葉真中顕)の感想は一言で言うと「すごい」

転職活動をしている合間に読んでいた『絶叫』(葉真中顕)。 総ページ数605ページ(文庫版)という長編なのだが、徹底したリアリティのある描写と様々な伏線が後半にかけて見事に回収されていく文章であっという間に読み切った。先日読み終えた際には、この…

【読書感想文】『小説 天気の子』(新海誠)

2019年7月19日公開の映画「天気の子」の小説版を読んだ。 以下に感想を書いていく。目次を立てているが、特に順番に法則性はない。思いつくままに書いている。なお、ネタバレしているため、読了または映画を観てから読んでほしい。 ※現時点でまだ映画は観て…

挫けそうなとき、諦めてしまいそうなときに読み返したい詩

生きていると色々なことを考える。これを読んでいるあなたもきっとそうだろう。 もう夢を諦めてしまおうか。 そもそも夢なんてない。 こんな世界で夢なんて持てるわけがない。 そう思うときもあるだろう。でも、言い訳を呟いた後に、この言葉を贈りたい。197…

【読書感想文】『天国旅行』(三浦しをん)

天国って本当にあるんだろうか。漠然と楽園のようなイメージを持っている場所。そこへ旅行するんだからきっとハッピーな小説に違いない。そんな気軽な気持ちで手に取ったが、見事に裏切られた。 テーマは心中 死ぬこと、は、生きること。 答えはそれぞれの人…

【読書感想文】『自分を操る超集中力』(メンタリストDaiGo)

なぜあなたの集中力は続かないのか 集中力をつけるためにはどうすればいいか 答えを知りたかったら、この本を読んでほしい。 自分を操る超集中力 作者: メンタリストDaiGo 出版社/メーカー: かんき出版 発売日: 2016/05/31 メディア: 単行本(ソフトカバー)…

中学高校と友達が1人もいなかった僕を生かしてくれた本(小説)4選

友達がいない=ダメ人間? 友達がいなくもいい、僕には本がある 今も生きるのが辛いとかしんどいとかそういう人に向けて これを書いているのはこんな人 さよならブラックバード(景山民夫) ピアニシモ(辻仁成) スカイ・クロラ (森博嗣) 失はれる物語(…

「自分ってなんでこんなにダメな奴なんだろう」と自己否定を繰り返していた時に、自分の星座について書かれている本をたまたま読んでみたら意外と救われたという話

自分の悪い部分ばかりが気になって仕方がない。生きている価値がない。もう死んでしまいたい。楽になりたい。 そんな時はいくら外が晴れていたって、家に閉じこもる。誰にも会わないで、ベッドの上で丸くなり、目を閉じる。 「終われ!世界よ、終われ!」と…

【読書感想文】『ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶』(大崎善生)

人は出会い、そして別れる。 結局はその繰り返しなのだ。 限られた生の中で、沢山の人と出会い、そして別れていく。 誰かを好きになる。その他者と自分との距離が限りなく近づく。けれど、些細なことからすれ違い、その他者は自分の前から消えていく。時が経…

【読書感想文】『九月の四分の一』(大崎善生)

この本は短編集である。 前にも書いたことがあるかもしれないが、短編集というのは、本当に評価に困る。本来なら一つひとつに対して書評をすべきなのだろうが、そこまでして感想を書きたいとは思わない。それはこの本がつまらないとかそういう意味ではなく、…

100年後には、僕たちはこの世界にいないということ

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 はてなブログの「今週のお題」が「人生に影響を与えた1冊」ということで、書いてみる。正直に言うと、そういう本は今までに数え切れないほどあって、とても一つに絞り切れない。 とはいえ、何冊も紹介してしまうと、個…

【読書感想文】『右岸(上・下)』(辻仁成)

僕がパリに行ったのは1年と少し前。それなのに、もうずいぶんと前の事のようにも感じる。もしかしたらあれは夢だったのではないだろうか、なんてことも思う。それが現実だったと思い出せるのは、セーヌ川とエッフェル塔の描かれた絵ハガキが今も自分の部屋…

【読書感想文】『ラバー・ソウル』井上夢人

最後まで読む価値があるほど面白いの? この小説は長編。ハードカバーで578ページある。読書好きな人にとっては気にならないページ数かもしれない。でも、普段本を読まない人にとっては「こんなに厚い本、大丈夫なんだろうか」と不安になるかと思う。本を読…

ブックオフでGWのセールをやっていたので興味のある本を片っ端から買ってみたら4時間も経っていたが至福のひとときだった。

GW期間中、ブックオフでセールをやっていた。本が全品20%オフだったのだ。ここぞとばかりにマンションから徒歩3分のブックオフに行ってきた。午後15時から店に入り、店を出たのは午後19時を過ぎていた。 合計三千円ほど購入。基本100円の棚から選んだもの…

生きることは苦しみである。

生きることは苦しみである。 うまくいかない。自分のダメなところばかり目について、毎日、溜め息をつく。 苦しい。 でも、生きることは、そもそも苦しみなのだ。この本に書かれてある通り。 結局は自分のことを何もしらない―役立つ初期仏教法話〈6〉 (サン…

【読書感想文】カシオペアの丘で(重松清)

「ゆるす」ということをテーマにした長編小説。 僕はこれまで幾度と無く人を傷付けてきた。そして、ゆるしを請うたこともある。逆もある。表面上は、「ゆるして」、「ごめんなさい」と言葉や表情で訴えれば、たいていのことはゆるしを得られる。けれど、ゆる…

【読書感想文】長い旅の途上(星野道夫)

長い旅の途上 (文春文庫) 作者: 星野道夫 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2002/05 メディア: 文庫 クリック: 22回 この商品を含むブログ (26件) を見る この本の著者は、アラスカの動物、自然などのカメラマンとして活躍した人だが、僕は彼の紡ぐ文章が…

【読書感想文】みなさん、さようなら(久保寺健彦)

団地から出られない主人公の話。 ーー 団地で思い出すのは、小学校低学年の頃のことだ。 僕には当時、とても仲のいい友達がいた。 彼は団地に住んでいた。 彼の住んでいた団地は、自宅から歩いて5分ほどのところにあったため、 放課後はしょっちゅう団地周…

【読書感想文】『夜市』(恒川 光太郎)

幼い頃、毎年春にやる祭りに行くのが楽しみで仕方が無かった。 その祭りでは、商店街にずらりと露店が出ていた。綿菓子、焼きそば、たこ焼き、りんご飴・・・お祭りに行く前に祖父母からもらった千円を持って行くのだが、優柔不断な自分は何を買おうか迷って…

【読書感想文】『一日一生』(酒井雄哉)

一日が一生だと思って生きる この本は、千日回峰行を2度行った偉いお坊さんが書いている。ちなみに千日回峰行とは何かというと、標高差1300メートルを超える道を往復約50キロ、5月~9月の間、毎日一人で歩くこと。千日というのは、9年間毎年歩いてトータル…

【読書感想文】『求めない』加島祥造)

僕はこの本を読んだ時、心の底から安心できた。 求めすぎている自分をそっと手放したからだ。 生きている限り、求め続ける。 けれど、求めない、と決めると、 世界はまた別の表情を見せ始める。 求める、から、苦しいんだ。 求めない、ことで、気持ちが楽に…

【読書感想文】『神田川デイズ』(豊島 ミホ)

どうしてこんなにも沢山の自己啓発本が出版されているのだろう。 僕は書店に行くといつも思う。 嫌いではない。むしろ、立ち止まってぱらぱらと読んでしまう。 それは、多分、自分自身に自信が無いからだと思う。 とはいえ、中学、高校生の頃と比べれば、ず…

【読書感想文】『ユーラシアの双子<上・下>』(大崎善生)

死にたいという人がいて、死にたくないという人がいて。生きたいという人がいて、生きたくないという人がいて。 生きるために生まれてきたのか、死ぬために生まれてきたのか。 そんなことを延々と考えていた。学生の時の話だ。 若さ故の自由な発想は時に鋭く…

【読書感想文】『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』( 石川 拓治)

たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える。byマルティン・ルター この言葉がこれだけ似合う人はいない。まさにリンゴと共に生きている人だ。 無農薬のリンゴを育てることは、これまで「絶対不可能」と言われてきた。でも木村さんはそれ…

【読書感想文】『空の色』(HABU)

空の写真ばかりが掲載されている写真集。 オーストラリアで撮られたものが大半で、 それらの写真は、僕を8年前のあの場所に連れていく。 オーストラリアの真ん中で。 赤い砂丘。ごつごつした岩。 どこまでも広がる果てしない空。 手を伸ばせば届きそうな雲…

【読書感想文】『装丁を語る。』(鈴木成一)

// 装丁を語る。 作者: 鈴木成一 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2010/07/07 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 56回 この商品を含むブログ (24件) を見る 装丁家の鈴木成一さんが手がけた本の紹介 装丁家の鈴木成一さんによる自らが手がけ…

【読書感想文】『ユリイカ2014年11月号 特集*森博嗣』

ユリイカ 2014年11月号 特集=森 博嗣 -『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』から『MORI LOG ACADEMY』まで・・・クラフトマンの機知 作者: 森博嗣,清涼院流水,杉江松恋,荻尾望都 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2014/10/27 メディア: ムック この商品を…

【読書感想文】『天国はまだ遠く』(瀬尾まいこ)

天国はまだ遠く (新潮文庫) 作者: 瀬尾まいこ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/10/30 メディア: 文庫 クリック: 17回 この商品を含むブログ (167件) を見る 人は一体何故生きるのだろう。 そんなことをぼんやりと、僕は中学生の頃、一人机に座りながら…

【読書感想文】『手紙』(東野圭吾)

手紙 (文春文庫) 作者: 東野圭吾 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2006/10 メディア: 文庫 購入: 19人 クリック: 174回 この商品を含むブログ (536件) を見る 犯罪者の弟……それだけで、こんなにも苦しまなければいけないのか。彼には何の罪もない。それは…