【読書感想文】『空の色』(HABU)
空の写真ばかりが掲載されている写真集。
オーストラリアで撮られたものが大半で、
それらの写真は、僕を8年前のあの場所に連れていく。
オーストラリアの真ん中で。
赤い砂丘。ごつごつした岩。
どこまでも広がる果てしない空。
手を伸ばせば届きそうな雲。
陽射しの強さ。
水を飲めることのしあわせ。
今は連絡も取れない人たち。
彼らの人生をふと思う。
もう二度と戻れない、見ることが出来ないあの日の空を想う。
時はただ過ぎていく。それは当たり前のことだ。
けれど、時々、どうしようもなく、かえりたくなる。
かえることは出来ないあの場所へ、あの時間へ。
こんな風に思えるということは、多分、とても幸福なことだ。
過去を大切にする人たちの気持ちが、最近わかるようになってきた。
歳を重ねることで、わからなかったことが見えてくる。
それは決して悪いことじゃない。
こちらも気になっています。