お金がない
かなり昔のドラマですが、織田裕二主演の「お金がない」が大好きでした。具体的な内容とかは覚えてないのですけど、貧乏な主人公がひょんなことから一流企業に就職して成功するいわゆるサクセスストーリーなのです。でも、お金持ちになればなるほど、やっぱり、性格的にダメになっていくというよくあるお話。
このドラマでとてもよく覚えているシーンがあります。それは、織田演じる主人公が、取引先の重役の家族と会食をするシーンです。重役の家族の子どもが、野菜だったと思うのですが、「嫌いだから食べたくない!」と言った所、親は平然とこう言い放ちました。
「そうね、食べたくないものは食べなくていいのよ・・・・・・」
それを聞いて、貧乏な主人公は怒りを我慢できず、
「食べ物を粗末にするな!」と一喝。一気に、その場は冷たい空気になり・・・・・・。
このシーンは、今でもものすごく強烈に覚えています。ドラマでは、食べ物の大切さを訴えるというより、主人公とその弟が経験してきた貧乏暮らしの苦労がクローズアップされる感じでしたが、僕はこの時「この世界で今日食べるものがなくて死んでいく人たち」が頭に浮かんでいました。
食べられるものがあるということは、本当はすごく幸せなことなんですよね。一日中何も食べないでいたら、やっぱりお腹は空くし、何かを摂取しなければ人間は生きていけない。けれど現在の日本の外食産業で一日に出る残飯は一体どれくらいなのか。どれだけ自分たちは、無駄を作り出し、豊かになろうとしているのか。
この世界のどこかでは、今日食べるものがなくて死んでいく人がいる。
ドラマの中で、子どもが好き嫌いを理由に食べたくないと言った時、何故親は、「この世界には食べたくても食べられない人がいるんだよ」と言ってあげられなかったのか。
食べ物を粗末にせずに、日々感謝して頂くことを僕はここに誓いたいと思います。