元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【読書感想文】『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』( 石川 拓治)

たとえ明日、世界が滅亡しようとも今日私はリンゴの木を植える。
byマルティン・ルター

 

この言葉がこれだけ似合う人はいない。
まさにリンゴと共に生きている人だ。

 

無農薬のリンゴを育てることは、これまで「絶対不可能」と言われてきた。
でも木村さんはそれを「可能」にしてしまった。
彼の努力、どこまでもあきらめない姿勢は並大抵のものではない。それに加えて、絶望的な状況下において、彼は常に目に見えない何かに導かれているような印象を受けた。まるで大いなる何かが彼を(無農薬のリンゴを育てるための)正しい道へ歩かせているかのような。


タイトルは「奇跡のリンゴ」だが、木村さん自身が「奇跡の人」なのだろう。

 

無農薬のリンゴを育てることは可能だ。ただし、それは現代の農薬中心の農業世界の欠点をずばり指摘する。農薬を使い、農作物を大量生産していった結果、どうなったのか?この本は、木村さんが無農薬でリンゴを育てることを成功させたという話だけに留まらない。
現代人必読の内容だと思う。
ぜひ一人でも多くの人に読んでいただきたい。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/04/12
  • メディア: 文庫
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余談だが、この装丁の写真がいい。木村さんの性格を如実に表している。

装丁は鈴木成一さん。文字の色と写真が絶妙で素晴らしい。 

装丁を語る。

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