元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【読書感想文】『ユーラシアの双子<上・下>』(大崎善生)

死にたいという人がいて、死にたくないという人がいて。
生きたいという人がいて、生きたくないという人がいて。

生きるために生まれてきたのか、死ぬために生まれてきたのか。

 

そんなことを延々と考えていた。
学生の時の話だ。

若さ故の自由な発想は時に鋭く本質を見抜く。
そして、絶望する。
死に向かって突き進む。

それを止めることが他者にできるのか。


この小説は、死に向かって突き進む少女と
その少女になんとか生きてほしいと願う中年の男の話。

 

みんな、何かを抱えている。

それは一人で背負うには少し重すぎて、
誰かと分け合えばいいのだけれど、
みんなそれぞれのものをすでにいっぱいに抱えているから、
なかなか分け合う人を見つけられない。

 

でも、死に向かうくらいだったら、僕に分けてほしいと思う。

僕には何もできないけれど、
話を聞くくらいならできる。
側に寄り添うことならできる。

自分の大切な人がもし、死に向かっているのだったら、
みんな僕と同じように思うんじゃないかな。

だから、一人にならなくていい。
一人で当てのない道を歩き続けなくていい。
その荷物を周りにいる人にそっと分けてあげよう。
多分、分けられたその人は
心からあなたに感謝するだろう。
あなたのことが大切だから。

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小説を読んで、思ったことを思うがままに書きました。上下巻ですが、面白くて一気読みしました。オススメです。

 

ユーラシアの双子 上 (100周年書き下ろし)

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ユーラシアの双子 下 (100周年書き下ろし)

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装丁は、鈴木成一さんです。

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