元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

東京藝術大学美術館の「ダブルインパクト」展に行ってきたけれど、企画展の感想ではないことを書く

先週の土曜日、上野の東京藝術大学美術館に行ってきた。

「ダブルインパクト」展を見るためだ。

double-impact.exhn.jp

 

*この文章は先週の土曜日に書いています。途中からリアルタイム的な内容になっておりますが、カフェにて途中まで文章を打った後、帰り道の電車の中などでiPhoneにて文章を打ったためです

 

ぼくは前にも書いたように、画家になりたいと思ったことがある。でもそれは、小学生の頃の話で、中学になって思ったのは、自分より絵が上手い人は腐るほどいるという事実で、だから、もう無理だと諦めた。

 

東京藝大(美術学部)と言えば、日本の美術系の大学の最高峰である。絵が上手いなんて当たり前の人たちの中で更にそのトップを走ってきたごく一部の人たちが通う大学だ。

その東京藝大が、上野にあること自体、僕は知らなかった。今回の展覧会に行こうと決めるまでは。

なんだか可笑しかった。上野には、何度も来たことがあるのだから。すごく近くにあっても知らないこと、わからないことはまだまだたくさんあるようだ。

 

ダブルインパクトという展覧会を知って、その場所が東京藝大の美術館だと知ったとき、「東京藝大を見たい」という気持ちが湧き上がった。

というわけで、今回は東京藝大(美術館)がメインなので、ダブルインパクト展の展示内容についての感想は省略する。とはいえ面白かったし、何より抜群に空いており、じっくり絵を見ることができたのでオススメしたい。

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美術館は二階部分に外を見渡せる休憩所があった。そこからは、藝大の学生たちが、門を出てくる様子を見ることができた。

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男性は一様に痩せていてオシャレパーマで背が高い、と感じた。女性はおかっぱパッツン前髪黒髪にベレー帽という出で立ちだ。というのは嘘だ。これは僕の芸大生のイメージ。でも、男性も女性も実際そんな人が多いように感じた。

 

この休憩所には、人がほとんどいなく、空調の音が聞こえるくらいに静かだった。その場所で、ひとり、僕は分厚い雲の広がる空を見上げた。

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藝大の門を通り抜ける学生たちを見た。ほぼ葉桜になった桜を見た。遠くに頭半分だけ見えるスカイツリーを見た。

 

僕は、どうしようもないくらいに、ひとりだ。

 

元々、一人でよいと思っていた。でも、誰かといる楽しさを知って、誰かと何かを一緒にする喜びを知った今、僕は、以前より、一人という状況を良しと思わなくなっている。

 

美術館を出て、家族連れやカップルだらけの上野公園を通り過ぎ、静かなカフェをiPhoneで検索したら、蔵前にあるとのことで、ちょっと遠かったけれど、そのまま歩いてそのカフェへ。たしかに静かで素晴らしいカフェだった。

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また来ようと思った。カフェを出て、そのまま歩いて秋葉原駅に。山手線に乗って池袋駅へ。

 

池袋駅にて、山手線の南改札を出て、全力で走った。多くの人が歩いている中をすり抜けるように。昔、映画で見たヤマカシというストリートを全力疾走する若者になったみたいに。西武線の改札前まで走っても、息は切れなかった。以前なら息を切らしていたはずだ。週一で続けているジョギングのおかげだろうか。

 

結局、裏切らないのは努力だけなのかなと、西武線各停に乗り、考える。走ってる時は苦しい。でも、その苦しみを乗り越えて、体力が上がった自分がいる。1年前にあったお腹の贅肉はかなり少なくなった。

 

でも、やっぱり一人なのだ。土曜23時42分の西武線、池袋発、各駅停車豊島園行きは8割くらいの混雑だ。僕の向かいに座るあの人も、僕の隣に座るこの人も、きっと誰か大切な人がいるのだろう。
それは僕にもいる(ここでいう大切な人とは家族を指す)。わかっている。でも、なぜだろう、一人なのだ。どこにいても何をしていても、一人という事実がもう一人の僕に「この状況をなんとかしろよ」と責め立てる。


「なんとかしたいんだ」と僕は答える。

驚くことに、僕はシラフなのだ。アルコールに頼らずに、僕はこのこっぱずかしい文章を書いている。今年、31になるオッサンが何を書いているのだと自分でも思う。どうか笑ってほしい。

 

唯一の救いなのは、ここでは一人ではないということで、少なくとも誰かはこのゴミのような文章を読んでくれるはずということ。

今、気づいた。これはきっと昼間に飲んだ安い割に量が多かったソイラテのせいだ。もっと言うならカフェインのせいだ。眠くない。現在、練馬。23時52分。小手指行きに乗り換える。また各停だ。所沢まではまだまだ長いが座れない。

 

夜は、長い。 

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