元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

挫けそうなとき、諦めてしまいそうなときに読み返したい詩

生きていると色々なことを考える。これを読んでいるあなたもきっとそうだろう。

 

もう夢を諦めてしまおうか。

そもそも夢なんてない。

こんな世界で夢なんて持てるわけがない。

 

そう思うときもあるだろう。でも、言い訳を呟いた後に、この言葉を贈りたい。1977年の言葉だけれども、古臭さを感じさせない鮮やかな言葉たちが衝撃を伴ってあなたの心に何かを残すだろう。

 

僕はいつも挫けそうなとき、もう無理だと諦めてしまいそうなとき、この詩を読むことにしている。

 

自分の感受性くらい


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


 ー『茨木のり子詩集』茨木のり子

 

茨木のり子詩集 (岩波文庫)

茨木のり子詩集 (岩波文庫)