元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【映画感想文】ONCE ダブリンの街角で

少し前の記事で感想文を書いた「はじまりのうた」。

 
motoishirei.hatenablog.com

 

音楽を通して男女が出会うというシンプルながらも上質な世界観が良いなと感じた。そこで同監督の一つ前の作品である「ONCE ダブリンの街角で」も見てみた。

ストリートミュージシャンである男性主人公。彼の前を偶然通りかかる女性。この女性とピアノでのセッションのシーンがあるのだけれど、その空気感が抜群に良い。二人で並んで一つのピアノを弾く。音楽を介して繋がる二人。言葉はいらないって本当にこのことだ。ちなみにこのときの曲はストリートミュージシャンの男性が作った曲という設定なのだけれど、昨日一人カラオケに行ったらこの曲があって驚いた。いつかこの映画を見た人と一緒にデュエットしたい(絶賛募集中笑)。

 

女性はチェコからの移民であり、チェコ語で何かを話す。男性は、なんて言ったの?と聞き返すけれど、女性は笑っているだけだ。このシーン。チェコ語はもちろんわからないし、字幕も出ないのでモヤモヤした。映画を見終わってネットで検索して知ったけれど、「え!そうなの?」って思った。もう一度、見直してみたら、また違った印象を受けるかもしれない。

 

最終的には、なんというのか大人の恋愛(ドロドロじゃなくてピュアの方)で、10代、20代じゃなくて30代以降の人におすすめしたい映画だなと思った。人が人を好きになるのに理由はいらないけれど、それが成就するかはまた別問題。当人同士が好きだとしても、ほんの少しのタイミングのズレでうまくいかず離れていくカップルはたくさんいるだろう。そういう現実的な部分を描いた作品であるからこそ、切なくて、共感できる良い映画と思えた。

 

ONCE ダブリンの街角で [DVD]

ONCE ダブリンの街角で [DVD]