元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【読書感想文】『水曜の朝、午前三時』(蓮見圭一)

結局のところ、すべてその瞬間のタイミング次第だ、と最近よく思う。あんなに好きだったあの人とうまくいかなかったのは、性格が合わなかったとかそういうこともあるかもしれないけれども、その時の状況、タイミングが悪かった(合わなかった)とも言えるの…

学生時代に何度も賞をもらった人が教える本当に正しい読書感想文の書き方

これを読んでいるということは、あなたは小学生? 中学生? はたまた高校生? 夏休みの宿題で読書感想文があり、「面倒だな、ネットで検索して適当にコピればいいっしょ」と考え、検索してここにたどり着いたのかい? 当たっている人は素直にコメントを残し…

【読書感想文】『あしたから出版社』(島田潤一郎)

出版社は、大学生の頃の僕にとって憧れの働いてみたい場所だった。けれど自分が名前を知っている大手の出版社は大変な倍率でとても受かるような会社ではなかった。実際に大手の出版社を受けたが全て不採用だった。結局、就職先が決まらない焦りから出版とは…

【読書感想文】『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(村上春樹)

村上春樹の小説は思考の奥深くにいつも自分を連れて行く。ただ毎日を消化するように生きる中で、「考えてみたら?」とふと言われているかのような気分になる。正直言って心に余裕がないと読み進めることができない。 この小説は、村上春樹の中でもわかりやす…

【読書感想文】『君に言えなかったこと』(こざわたまこ)

生きていると、「あの時、あの言葉をあの人に言っていたら自分の人生の何かが変わっていたのでは?」と思う時があるのではないか。自分は最近それをよく思う。過去に出会った沢山の人達。今はもうそのほとんどの人と会うことがない。それどころか、連絡さえ…

【読書感想文】『満願』(米澤穂信)

これはすごい。読了後、思わず溜息がこぼれた。 短編集であるが、特に「夜警」、「万灯」が秀逸。 人の心の機微を繊細に拾い上げていくその書き方は読む者を物語の中にすっと引き込んでいく。 この世界に生きるどんな人でも「悪い人」の一面を持っている。生…

【読書感想文】『インソムニア』(辻寛之)

PKOとして日本の自衛隊が海外に派遣されている。この小説は、海外派遣された自衛隊員達が現地である武装勢力と出会ったことから始まる物語。フィクションではあるが、過去の自衛隊海外派遣のニュースを見ているので実際にありえそうな、現実感がすごい。 も…