そうだ、長野へ行こう!(その5)
*その1〜4は、本記事下にリンクあり。
長野に来て、横浜の会社で出会った元同期と会っている。この事実がなんだかおかしくて、思わず笑みがこぼれた。
とりあえず、居酒屋へ行かなくては寒くて死んでしまう。
というわけで、ここに行こうとするが、満席らしく、諦める。見るからに良さそうだったので残念。
別の居酒屋へ行って、話す。写真を撮り忘れたが、路地裏のなかなか趣きのある良さそうな居酒屋だった。座敷に通され、元同期と向かい合った。同期の写真も料理の写真もないのであしからず。
以降、彼の名を仮にK林君とする。
以下、何となくこんな話をしたということで、リアルタイム会話的なものを書き出してみる。多分、面白くはない。それに長野はほとんど関係がない(笑)。
K林君「あーつかれた。めちゃ疲れた」
元石「おつかれさま。忙しいの?」
K林君「ああ、忙しい。週末も仕事出てるし、残業続きだし」
元石「SEだもんなぁ、でもたくさん稼いでていいな」
K林君「よくねぇよ。もう東京帰りたい。ってか帰るわ」
元石「え、だってまだ長野に戻ってきてさ…3ヶ月も経ってなくない?」
K林君「いや、だってつまんねぇんだもん」
元石「何が?」
K林君「だから仕事」
元石「でも、仕事なんてつまらないことの方が多いよ」
K林君「いやそんな話を聞きたいんでなくて」
元石「そうだな。でも、地元だから友達もいていいじゃん」
K林君「いや、いないんだよ」
元石「なんで?」
K林君「みんな、東京にいるの。地元に残ってない」
元石「そうなの?」
K林君「うん」
元石「でもさ、でも、実家なんだからさ、楽だろ色々とさ」
K林君「ああ、でもやっぱりもう飽きた。長野、退屈」
元石「いや、地元なんだからさ」
K林君「でも仕事もつまんないし、友達はほとんど都内にいるし」
元石「…そういうことね」
「はぁ」というため息が聞こえてきた。K林君は、明らかに消耗していた。地元に戻って友達もいて転職も成功(給料アップ)して、人生バラ色!な話を聞けるかと思っていたので、とても驚いた。人生って思うとおりにはいかないもんだなと思った。彼は、「今年の夏には東京に戻る予定」なんて話していたけれど、果たしてどうなることやら。
場所をK林君行きつけのバーに変えた。
なんでも、最近は毎週金曜日にこのバーに来ているという。クール。僕には行きつけのバーなんてものはないし、一人でバーに行く勇気もなかなか出ないチキンなので、羨望の眼差しを彼に向けていた(笑)。
カクテルを飲み、
ソーセージを食べた。
自分も色々とうまくいっていない話を聞いてもらった。K林君は、1つ年下だが、共感力が高く、とてもいいやつなので、話をしていて楽ちんだし、何でも話しやすい。
結局、夜の1時近くまで飲んで、K林君と別れた。帰りは、案の定、凍えるように寒くて、さみぃ!を二人で連呼する。
駅前は寒さのせいなのか、長野のせいなのか、ほとんど人がいなくて、まるで世界でふたりきりのような気がしないでもなかった(いやこれは誇張(笑))。
宿泊施設に戻り、シャワーを浴びて、ベッドに潜り込む。K林君につられて、飲み過ぎたようだ。酔いがまわっていて、興奮しているのかなかなか寝つけなかった。肝臓、ファイト。
でも、長野に来てよかった、と思った。僕にはまだ、こうやって話を聞いてくれる人がいる。突然会おうと言って、仕事が忙しいにもかかわらず、会ってくれる人がいる。そう思うと、K林君にとても感謝したくなった。ありがたや、と心のなかで拝みながら、まどろみの中をしばしさまよっていたが、いつの間にか、眠りに落ちていた。
その6に続く。