元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【思考】僕の思考は気がつくと10年以上前のあの時へ飛んでいる。

来週36歳になる。もう随分と長い間、このブログの更新をしていない。最低毎月1回は更新できればとは思うのだがそれさえもできない。一体、自分は何をしているのだろう。

ある人のことを思い出す。それは仕事が辛いとき。現実が嫌になったとき。何もする気がなくなったとき。空を見上げたとき。目的もなく歩いているとき。会社に向かうとき。会社から帰るとき。家でコーヒーを飲んでいるとき。そう、いつだって僕はあの人のことをふとした瞬間に思い出す。あの人の姿、声、仕草。そういったものが透明な膜に覆われた状態で頭の中を駆け巡る。

あの人といて一番楽しかった記憶はもう10年以上前のある日の出来事。きっとあの人はもうその時、その瞬間のことなんて忘れているに違いない。最後に連絡したのはいつだったか。もう思い出せないくらいには昔の話。

あの人はもう結婚をしていて子どもも二人いて旦那さんのことを愛していて。そういう人だ。そういう人なのだ。それなのにいつの間にか僕の思考は気がつくと10年以上前のあの時へ飛んでいる。きっと僕はあの頃に戻りたいんだろう。今の生活を手放して、あの頃に戻れるとしたら、僕は悪魔と契約してだって戻るかもしれない。もしそうしたら今の生活の幸せを徹底的に破壊してしまうのだとしても。そうか、そうだった。前からわかっていた。僕はそんなにできた人間ではない。むしろその逆だ。それなのに周りの人はいつも勘違いする。真面目だとか本当にみんな僕の何を見ているんだろう。ただ見てくれだけか。きっとそうだろう。他人なんてそんなものだ。

もうそろそろしたら頭が本当におかしくなってしまうんだろう。否、そう簡単にはおかしくならないから、逆に苦しい。全てがわからなくなって無となったら何も残らずに消えてしまいたい。生前の記憶なんて誰一人きれいさっぱり忘れている位になって砂のように風に乗ってどこまでも空へ向かいたい。空の青に溶け切ってしまいたい。 

空は、

空は、

  • 作者:HABU
  • 発売日: 2018/11/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)