元はただの石ころ

「確かなのは過去でも未来でもなく今」とわかっているけれど、そう簡単に割り切れない奴の日常

【映画感想文】yesterday

もしもビートルズがこの世界に存在していなかったら。そんな、もしも、を描いた映画。主人公とほんの一握りの人だけが、その存在を覚えているという設定。売れない歌手だった主人公はビートルズの楽曲を盗作してスターにのし上がっていく。

夢と現実の間

今の時代、誰でも音楽を簡単に作ることができる。でも音楽活動だけで生活していく事ができるのはほんの一握り。大半の人は夢と現実の間を行き来しながら、結局、現実を見て諦めていく。現実とは何かを語るまでもない。現代社会で生きていくためにはお金がいる。そのお金を稼ぐためにアルバイトをしてその合間に路上で歌い、音楽を作る。大半の人はそれで人生を終える。

 

才能、運のある無し

この映画で描かれるのは、才能のある無し。運のある無し。その間にあるものは何なんだろう。きっと昔よりはずっと才能のある人は表に出やすい時代だろう。インターネットでいくらでも自ら情報発信できるからだ。しかし、自分に才能があってもそれがその時代に受け入れられるかどうか、という問題はある。何が優れていて何が劣っているか(言い換えれば評価されるか否か)。それは時代によって簡単に変わってしまう。つまりその時代に受け入れられるかどうかという運もあるだろう。いくつもの複合的な要因(課題)を通り抜けた先にある栄光。死後に評価され有名になった数多の画家を考えれば、結局全ては時の運だと思ったりもする。

 

音楽の力

昔から創作物に救われてきた。音楽は救いの一つだ。音があるだけできっと何かが違う。言葉が分からなくてもメロディを聞いて共感できる。知らない人同士でも打ち解けることができる。この映画を見て、やっぱり音楽は素晴らしいと思った。僕は音楽を作ることは全くできないけれども、音楽の良さはわかる。言葉は要らない。この映画のタイトルであるyesterdayを聞いて改めてそう思った。

イエスタデイ (字幕版)

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  • 発売日: 2020/04/08
  • メディア: Prime Video